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【owners】"ミラーレス一眼カメラ" vs "iPhoneカメラ" 人物の動画撮影にはどっちがいい?

  • kaidohonoda
  • 7月14日
  • 読了時間: 11分

更新日:8月24日

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 スマホ撮影専門だった僕が、一眼カメラを購入した経緯

人物のインタビュー動画を取り続けて、気がつけばもう3年が経とうとしています。インタビューを撮り始めたキッカケは、僕の祖父の死。(良ければ以前ブログを書いたので読んでください)そこからもうそんなに経つのか〜と、思ってます。


メディアで働いてはいますが、始めた当初、僕自身の知名度も、特別な映像技術もなかったです。でも色々な方のインタビューを通し、動画にその人を "残す" ということは、非常に価値のあることだと体感していましたし、この活動は一生涯やり続けたいな、続けるんだろうな、という根拠のない確信を感じながら、今も撮り続けています。


さて、僕のインタビュー動画には、撮影を約束してくれた方から順に、No.をつけさせてもらっていまして、ちょうど先日、インタビューNo100 、つまり100人目を撮影しました。


No100までは修行期間として位置づけていたのですが、ここからは本格的に活動を広げようと考えており、個人のインタビューだけではなく、イベントの撮影、企業の撮影などなど、様々なところとご一緒できればと考えています。


ただ、そこで一つ。僕はいままで GooglePixel や iPhone のスマートフォンカメラで動画撮影をしてきました。下手な人が一眼カメラを扱うくらいなら、今のスマホで撮影する写真/動画は十分キレイ、という話も良くききます。実際、撮影してきた動画はキレイで、映像自体は全く気になっていませんでした(映像に興味がある方しか気にならないのでは?)。このままでもいいかと思ってもいましたが、活動を広げていく上で、体裁的にもカメラは必要かなと思っていました。企業案件でカメラマンがスマホを取り出したら「スマホで大丈夫...?」って思われそうだなと(笑)。


前段が長くなりましたが、ここからがタイトルの内容です。そんな経緯で、映像用のミラーレス一眼カメラを購入し、2ヶ月間いろいろな方を撮影してみました。その上で、僕の思う、人物の動画を撮影する上で "ミラーレス一眼カメラ" と "iPhoneカメラ" は、どっちで撮影した方がいい?を、書いていきます。



 "ミラーレス一眼カメラ" vs "iPhoneカメラ" | 映像比較


■ デバイス

・一眼カメラ:LUMIX S5IIX フルサイズミラーレス一眼

・スマホ:iPhone15 Pro(以前は GooglePixel 7Pro を使用)


撮影の設定はいずれも「4K / 30fps」。見ていただいたほうが早いので、まずは見てください。


■ 一眼カメラで撮影


■ スマホカメラで撮影


どう感じましたか?一眼カメラはこれくらい撮れて当然なのかも知れませんが、スマホも撮れてますよね!僕は、どちらもキレイだなと感じます。色味はそれぞれのデバイスによって加工あり & 編集も加えているのであまり気にせず、比較としては素材を中心にみていただければと思います。※ 一眼の方、背景が白飛びしてしまってます。まだまだ使いこなせていない部分があり恐縮です


また、この比較は映像上の画質に限った話ではなく、それ以外の面も総合的に "人物を映像に残す" という観点から、僕の感じたことを記載しています。様々な観点で見ていますので、参考になると嬉しいです。




 "ミラーレス一眼カメラ" vs "iPhoneカメラ" | 一眼カメラ編


まずは、一眼カメラについて触れていきます。


■ メリット

① 圧倒的な高画質

まずはここです。一眼カメラは圧倒的に高画質です。ただ、逆をいいますが、スマホの画面で見る分には、一眼カメラでもスマホカメラでも、そこまで映像の差分は気にならないと思います。気にして見れば気になってきますが、おそらく普通に映像は見れてしまう方が大半だと思います。それほどまでに、今のスマホカメラも十分すごいです。


ですが、やっぱり細かい部分の再現度、高品質さは一眼カメラが圧倒的でした。一眼カメラの良い点はなによりもここだと思っています。


先ほどの映像について、ぱっと見で違いがわかるレベルまで拡大してみます。今度はスマホ → 一眼の順で見ていただきます。(角度が異なるのは、許容してください)


■ スマホカメラで撮影した映像の拡大

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■ 一眼カメラで撮影した映像の拡大

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拡大してみると、スマホの方は特に境界線を中心にザラザラしており、圧倒的に一眼カメラのほうが細かい部分まで正確に残せていることがわかります。


そもそも写真や動画は、基本的に取り込める光の量が多いと、ノイズが少なく高画質で撮影ができます。(光量が多すぎる飽和状態は、白飛びするので、別途調整が必要)


取り込める光の量を左右するのが「センサー」というもので、使用しているLUMIX S5IIXに搭載されているセンサーは「フルサイズ」といって、スマートフォンのセンサーに比べて、約30倍という大きさのため、同じ4K(3840p×2160p)の設定でも、一眼カメラのほうがよりきめ細やかな写真が残せるというわけです。正確には、センサーサイズ以外にも、レンズ性能、画像処理の仕方など、他の要因も入り混じっていますが、上のような結果でした。


KAIDOH'S FILM における理想の映像は、その人をリアルに感じることができる映像です。音に関して言えば、雑音が入ってその人の声色が聞き取りづらい映像よりも、その人の声の表情までききとれる方が良いので、周りの雑音もかなり拾ってしまうデバイス内蔵のマイクではなく、人の声をキレイに聞き取ってくれるピンマイクを使います。映像ももちろん同じ考えです。微妙な目の動き、口周りの動き、シワ、表情、そういった機微を感じ取れるような映像を残すために、一眼カメラの技術はとても重要です。


② 本格的な雰囲気(撮られている感)

お金を出して撮影してもらうなら、自分も持っているiPhoneで撮影されるよりも、スマホでは残せない高画質で撮影できるカメラで撮影してもらったほうが、やった感は残るかもしれません。普段自分たちではできない体験をしていることは、思い出にも残りやすいと思いますし、本格的なカメラで撮影されているプレミアム感があります。


特に企業案件では、高品質であることを前提に、パッと見の見栄えというのも大事だと思っています。すごい仕事ができる人でも、皆がスーツをきて参加する会議にパジャマで参加していたら「何だ君は!」と思われて、いいことを言っていても聞いてくれないかもしれません。スマホではなく、プロの機材で撮影していますよ!ということは、僕のなかでは、見え方についての懸念を払拭できる重要な要素だと考えています。



■ デメリット

① 物理的に重たい

スマホの時には通常仕事でも使ってるリュックに機材をいれて運べたのですが、一眼カメラでは、カメラ用のリュックに、ガッチリとした三脚、マイク機材に、予備バッテリー、あれやこれや... 本格的に機材を揃えれば揃えるほど、しっかり重たいです


カメラ用のリュックを購入しましたが、僕の撮影では、PCとiPadも合わせて持ち歩くため、合計が結構な重さになります。リュックを背負っての移動はかなり疲れるため、最近はスーツケースで移動することが多くなりました。


② 費用がかかる

カメラ本体をはじめ、周辺機器も安くはないです。僕はこの事業の拡大のため、覚悟をきめ一通り集めましたが、気がつけば50万円くらいかかっています。業界からすればまだまだ駆け出しの金額感ですが、個人で手を出すには勇気のいるレベル感でもあると思います。撮影すればするほどストレージは積み上がり、スマホのボタン一つで変更可能な撮影画角も、一眼カメラでは数十万のレンズを購入する必要があったりします。これからも深みにいけばいくほど、費用はかかっていくと思います。


③ データ容量をすごい喰う

僕はスマホで撮影していることがベースにあったため、一眼カメラで撮影した映像データはこんなにも容量が異なるのか!とびっくりしました。先日撮らせていただいた約40分の撮影にて、一眼とスマホを同時に回していたのですが、結果は以下。(※ いずれも 設定は 4K 30fps、拡張子はmov)


・一眼カメラ:45GB

・iPhone15 Pro:7GB


なんと、約6.5倍の差があります!こんなに違うの!?映像に含まれる情報量が異なることで、この容量の差がうまれていますが、最初の映像の比較をみて、そこまで違うのか!と驚かれる方も少なくないと思います。一眼カメラにしか残せない映像の質はあるので、なにを選択するか?ですが、そのデータを残していくストレージの容量を侵食していく速度には驚きました。




 "ミラーレス一眼カメラ" vs "iPhoneカメラ" | スマホ編


上で書いた逆でもありつつ、特にこれは!と思うところを記載していきます!


■ メリット

① ほぼ身につけて持ち歩いている(≒ 持ち運びハードルがない、軽い)

まずは圧倒的にここです。カメラは本体にはじまり、カバンや三脚、周辺の機材も相応に大きく、重くなってきますし「今日はカメラ持って行くか〜」と考えている時点でそれはスマホからするとハードルを感じているということ。スマホは「持っていくか〜」なんて考えませんし、持ち運びが当たり前で、これがなにより素晴らしいです。スマホに伴う機材も、卓上のライトな三脚ですんだり、すごくコンパクトです。カメラを買ったものの、辞める人のメイン理由に「カメラが大きい、カメラが重い」というものがあるようですが、軽いしほぼ身につけて持ち歩いているという面で、スマホはスーパー圧倒的に優れています。


色々な場所でさっと撮影する、ということで日常の様子を残していけると思うと、持ち運びに精神的なハードルがゼロであるスマホは大変素晴らしいです。



② 精神的に構えさせない

一眼カメラのプレミアム感とは逆の話です。人物の撮影において、その人の素をどれだけ引き出せるか?は、かなり大きなポイントとなります。僕の動画では、できる限りの素で話してもらい、その人自身が思っていること、もっというと 自分も気が付かなった深層心理がポッとでてきて自分自身を再発見する、そんな動画を残していけるといいと思っています。


インタビュー撮影を受けること自体、普段はしないことなので、多少はどうしても構えてしまうと思います。一眼カメラを向けられると顔を隠してしまう子どももいますし、話す言葉が固くなる感じもします。ただ、皆さんスマホで撮影をすることは当たり前にしているため、スマホを向けられることは慣れている方が多いです。スマホでラフに、かしこまり過ぎることがない環境は、話しやすくなる重要な要素だと実感しています。



■ デメリット

① 映像のボケ感が粗い、デジタル感満載

iPhone15Pro で撮影する際には、シネマティックモードで撮影することが多いです。その際に保存されるデータの F値は2.8に初期設定されています。F 2.8 という値は、背景をかなりぼかす設定です。この記事を読んでいる皆さんは、そこに注目してみるため、確実にボケさせていることを理解できるとおもいますし、一眼カメラに慣れている方からすると、ボケ感をデジタル加工したことがわかる、違和感のある映像に感じると思います。


■ スマホカメラで撮影(F2.8)


とくに人物をインタビューする動画は、風などで髪の毛がなびくことが多々あり、それらはスマホの認識するボケ範囲に入ってしまいます。そう意識してみてしまうと、もう気になって仕方なくなってきます。


そこについては、スマホの場合、後からぼかしのデジタル加工をしているため、F2.8の設定は撮影後も変更が可能です!こちらについては、また別の記事で詳しく違いを記載しようと思います


② 映像の色味

スマホで撮影した素材はいい感じに見やすいよう、色味を調整してくれる加工機能があります。カラーグレーディングをしたい方は、すでに色味がついてしまっているところからの編集となるため、やりづらさを感じるかも知れません。


LUTを変更できる外部アプリもありますし、正確には純正のカメラアプリでも「ProRes」というフォーマットで撮影すれば、Log素材で撮影できるのですが、これは上で書いているスマホの撮影データ容量の30倍ほどなので、一眼カメラのさらに数倍容量が重いという...。30分の動画を撮影するだけで、iPhoneの容量がいっぱいになってしまうくらいの行き過ぎモードなので、今回は除外して考えています。




 "ミラーレス一眼カメラ" vs "iPhoneカメラ" | まとめ


以上、僕が撮影してきて思う、「人物の動画を撮影する上で "ミラーレス一眼カメラ" と "iPhoneカメラ" は、どっちで撮影した方がいい?」を、書いてきました。


読んでいて、思った方もいらっしゃるかも知れませんが、細かいところまで気にしなければ、一眼カメラではなく、スマホでいいところまでは残すことは可能です。むしろ下手に一眼カメラを使うよりも、キレイに残せるかもしれません。


僕の結論は「あなたは人物を動画に残す上で、何をどこまで求めたい?」です。


上の通り、どちらにもメリット、デメリットがあります。ラフにいろんなシーンを自然体で撮影したいのであれば、スマホで。絶妙な機微も再現度高くプレミアムに、であれば一眼カメラを持ち出したいところです。僕は両方使う道を選んでます。一眼カメラだけでいいか、とも思ったのですが、ふとした瞬間の素はやっぱりスマホで撮影するラフさやスピード感が必須でした。(カメラを持ち歩いてない瞬間もあるので)。僕の動画には、この「素」というか、飾らないナチュラルな姿を残せることがとっても大切なので。一方で腰を据えて話すシーンは、一眼カメラをつかって高画質にと、使い分けることをしています。


最近ではプロの現場でも、スマホを使って撮影するシーンが多々あります。手塚治虫のマンガ『ミッドナイト』は iPhone15Proのみをつかって実写化されていましたし、Google Pixelを使って撮影された藤井風さんのMVなど、世にも目に触れるレベルでスマホカメラは使われています。


こっちだと映像として見れないわ〜、ということはないです!デバイスとしての映像の質はどちらでも「見れる」のです。あとは、上のような差を知った上で、あなたが何を選択するか?ではないでしょうか。


KAIDOH’S FILM

2025.07.14


SERVICES

フィルム制作における 3つのプラン

"LONG" PLAN

¥100,000~

撮影時間:6~8時間(移動時間込)

撮影場所:3箇所(30分~1時間目安/場所)

仕上がり動画尺:20~30分目安

"MIDDLE" PLAN

¥50,000~

撮影時間:3時間(移動時間込)

撮影場所:2箇所(30分~1時間目安/場所)

仕上がり動画尺:10~20分目安

"SHORT" PLAN

¥10,000~

撮影時間:1時間

撮影場所:1箇所(30分~1時間目安/場所)

仕上がり動画尺:5~10分目安

※ 料金は実施内容によって変動可能性あり(法人プランは別途ご用意がございます)

※ 東京都以外は交通費は別途頂戴しております

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